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福岡県マンション管理士会は、無料セミナー&相談会を2024年2月11日午後1時半~、北九州市戸畑区のウェルとばた8階会議室で開きます。山下マンション管理士事務所の山下誠吾代表が講師を務めます。テーマは「認定制度、開始から1年~北九州市の場合」です。

2024年10月保険値上げ!過去最大の引き上げ幅に

ファイナンシャル・プランナー、マンション管理士 大田 司

今年秋にもマンション保険料、全国平均で13.0%引き上げ予定!

最近、食品や日用品、光熱費、物流費、医療費など、さまざまな分野で値上げの動きが止まりません。マンションの管理費も、今後値上げが避けられない状況です。マンション総合保険の保険料も2022年10月に値上げされたばかりですが、2024年度にもさらなる値上げが予定されています。過去最大の引き上げ幅で、マンション管理組合にとっては2024年問題と言っても良い状況です。

損害保険料率算出機構は、昨年2023年6月に金融庁へ参考純率改定を届け出をおこなっています。今回の改定によって、参考純率が全国平均で13%上昇。また、市区町村別に水災リスクを5区分に分けて評価し、水災リスクが高い地域ほど水災補償の保険料率が高くなる仕組みへと変更になります。

今まで最大の引き上げ幅となった、2022年10月の保険料率改定をはじめこの10年程度を見ても、4回見直しが行われています。感覚的には、常に右肩上がりの状況です。

なぜこうも火災保険料は頻繁に値上げされるのか。その最大の理由は、保険金の支払いが増加したことで、損害保険会社の収支が悪化し、火災保険の仕組み自体が成り立たなくなる可能性があるためです。保険金の支払いが増加した背景には、主に「自然災害リスクの増加」と「高経年マンションの増加」が挙げられます。
近年、大型台風やゲリラ豪雨などによる自然災害が多発しており、保険金の支払いが金額・件数ともに増えていることも影響しています。特に2018年度と2019年度は、大規模な台風や豪雨の影響によって保険金の支払額が激増したことがありました。

地球温暖化や気候変動が叫ばれる中、自然災害の発生リスクは今後も高いとみられることから、長期トレンドで見ても保険金の支払い請求は増加傾向で推移する可能性が高いと思われます。損害保険会社の収支の悪化を防ぐために、参考純率のさらなる見直しと、それに伴う保険料の値上げは避けられない動きといえるのではないでしょうか。
前回2022年10月の改定で10年の長期契約が廃止されたことも、「自然災害リスクの増加」が影響しています。火災保険の保険料率は、契約期間中の災害の発生割合を推計して決められることになっていますが、近年の相次ぐ自然災害により、長期的なリスク予想が困難になってきていることが長期契約の廃止の背景にあります。

一方、「高経年マンションの増加」も保険会社の運営をより難しくしています。損害保険料率算出機構の発表する資料によれば、保有契約件数のうち、築10年以上経過している住宅が占める割合は、2016年度時点で68.2%だったものが、2020年度には73.5%に増加しています。築年数が古い住宅の割合は、今後ますます増加することは確実であり老朽化に伴い、電気設備や給排水設備などの劣化が進み、火災や水漏れといった事故が発生しやすくなります。そのために、古い住宅が増加すると事故の発生リスクも増加するものとして、そのリスク傾向が参考純率に反映されるため結果として保険料の値上げに繋がっています。

特に、マンション総合保険で保険金の支払い請求が多いのが漏水関係の保険事案です。火災保険では「水濡れ(漏水)」といい、給排水設備の事故や、他の住戸からの漏水被害などが該当します。中でも、給排水設備に関する水漏れの場合、給排水管の老朽化が原因であることが少なくありません。

こうした事故で安易に保険を使い対応を行うと、次回の更新時に予想外の保険料値上がりが発生することもあり注意が必要です。損害保険会社や契約内容によって違いはあるものの、通常事故の発生数(カウント率)によって、保険契約の割引率が変わってくる場合が少なくないため次の契約更新の際に、割引率の引き下げという形で反映されてしまい、保険料の大幅な値上げにつながってしまうこともあります。
こうした事故の場合、管理組合としては安易な保険利用をせず、責任の所在を明確にし、ケースにより加害者が加入している個人賠償責任保険や、被害者が加入している火災保険(水濡れ特約など)も視野に入れた対応を検討することが保険料の値上げを抑えるひとつの選択肢になります。

値上がりが続くマンション総合保険への対応方法について

このような状況に於いて管理組合は今までの様に全て代理店任せ、管理会社任せで保険の手続きをおこなうことは場合によっては皆さんの大事な資産流出を招く恐れがあります。まずは、以下の基本的な対応方法について理事会等で協議することが重要です。

(1)現在の契約内容を見直す
現在の保険の契約内容が、マンションの現況に合っているか確認することも大切です。たとえば、建物が損害を受け、建て直しや修理、再取得する際に必要な「再調達価格額」の設定が過剰になっていないかなど、保険金額や補償内容を精査し(地震保険含む)、不要な内容を見直し、外すことが可能か検討してみる必要があります。

一例として免責金額(自己負担額)を上げることで、保険料を安くすることも可能です。保険金は、受取額が2万円であっても、あるいは700万円であっても、保険請求としては同じ1件として扱われてしまいます。保険の請求回数が多いと先述した様に事故の多いマンションと判断され、次の更新時の保険料に値上がりが起きてしまいます。金額によっては、あえて保険を使わずに済ませたほうが得策の場合もあり、無理のない範囲で免責金額(自己負担額)を設定するという方法も選択肢のひとつです。
また、特約を外して保険料を削減する方法もありますが注意が必要です。たとえば個人賠償責任保険(包括契約用)を外す場合には、区分所有者の火災保険や個人賠償責任保険への加入状況も無視できず、不用意に外してしまうと問題が生じる可能性もありますので、特約の扱いに関しては慎重に判断したいところです。

(2)保険期間を最長の5年にする
管理組合の中には、たとえば長期契約をしたくても、予算の都合上、一括でまとまった金額を支払えないという理由から、保険を1年契約にしているところもあると思います。もちろん1年契約のメリットもあり、毎年保険の契約更新の案内が来るので、先が読みにくい現状に於いて保険見直しの機会を与えれることになります。ただし更新手続きを毎年行う必要があり、長期契約よりも1年当たりの保険料が割高になるというデメリットもあるので、マンションの財政状況と相談しつつ、できれば最長の5年契約を選ぶようにしたほうが良いと思います。

(3)保険各社の相見積もりを取る
多くの管理組合では、管理会社を通して保険契約を行っているとおもいますが、管理会社自体が保険代理店になっている場合が少なくありません。管理会社に新しい保険の見積もりを頼んでも、管理会社の提案したい内容の見積もりが出てきてしまうことが多いため、他の保険代理店にも依頼して、複数の見積もりを取るようにすることが大切だと思います。
マンション総合保険のプランや補償内容は保険会社ごとに違いがあり特徴のある商品もありますので、保険料の高低だけでなく、自分の管理組合に合ったプランや補償を見つけるためにも、相見積もりを行うことは効果的といえます。

尚、保険料は参考純率の引き上げを受けてから、一定の期間を置いてから改定されるので、新しく保険を契約する場合には、保険料の値上げが実施される前に締結するようにすればメリットを享受できることになります。たとえば保険料の改定が11月1日なら、それ以前に契約を締結する方法です。それには今後の保険料の値上げに関する情報を収集しつつ、理事会等において計画的な協議が必要になります。
保険料の値上げ自体は歓迎できることではありませんが、全て他人任せの保険選びから皆さんの大切な財産を守るための良い見直しの機会と捉え、来る保険料の値上がりに備えて、理事会等で保険内容の精査と保険料の削減に取り組んでいただきたいと思います。

2024/3/31

NHK「クローズアップ現代」の問題提起を再確認!    

マンション維持費高騰にどう備える?

前回のブログで国土交通省が1月26日、マンションの管理組合が管理業務を外部に委託する「第三者管理方式」のガイドライン(指針)改訂案を有識者会議に示しましたことを伝えましたが昨年11月19日にNHK「クローズアップ現代」でマンション管理に関する番組が放映されていました。この内容が今回の国土交通省が示した指針に見事に当てはまる内容となっています。現在の流れを読むと、実は表面化していないだけでNHKの報道内容や国交省の注意喚起にあるような事態が想像以上に多く発生しているのではないかと感じています。そこで改めて番組のなかで重要だと感じたことを記載してみたいと思います。

国土交通省も警告している修繕コンサルタントと談合問題

放映内容は、ここ10年間で分譲マンションの管理費・修繕積立金の合計額は3割上昇しており、修繕積立金を大幅に増額改定しているマンションも少なくなく、経済的負担に耐えきれず手放す人が増加している実情が報告されています。
また管理組合の体制の脆弱さを利用した大規模修繕工事に於ける水増し工事や不正工事を例に挙げており問題の深刻さがわかる内容でした。
さらに、大規模修繕工事に関わる複数の企業が事前に工事金額を裏で示し合わせる談合行為が行われており工事会社に支払われた金額の一部は、キックバックとして設計事務所などのコンサルタントに渡されており管理組合から無駄な費用が流出している実態が伝えられています。
もちろん誠実にコンサル業務を行うコンサルタント会社も存在しますが管理組合側がその見極めを判断をすることが難しい点がこの問題の悩ましいところです。
番組の中で、こうした対策として設計事務所等コンサルタント会社や建設会社任せにせず、管理組合が「独自に見積もり」を取得することが重要でありこうした積極的な行動が業者にもプレッシャーにもなり、安易に不正ができなくなるとの内容でした。

内容的には、一部説明不足なところはありましたが全般的に同意できる内容でした。やはりこのような問題に有効な対策は、管理組合が建設会社とコンサル会社に対するチェック機能を働かせることだと思います。もちろん裏で利益供与が行われていれば完全に見破ることは困難ですが、主体性を高めチェック機能を働かせることが出来れは、悪質な業者は、面倒くさがりこのような管理組合には入り込みにくため避けていくと考えます。

管理会社が管理者を兼ねる第三者管理方式の問題について

また第三者管理方式について触れており高齢化や手間のかかる管理には関わりたくないという組合員の方が多いなか近年新しい管理手法として外部の専門家などに運営の判断や決定を任せるも第三者管理が注目されており実際に年々増加傾向にあるがその仕組みにも課題があるとの内容でした。その中でも特に課題があるケースとして紹介されたのが、マンション管理士などの外部専門家でなく、管理会社が就任するケースについてでした。まず指摘されたのが管理会社が管理者を兼ねる第三者管理方式においては、利益相反の問題があるということ。工事に関して言えば、発注者たる管理者と受注者たる管理会社が同一の会社になるため、自分が自分に工事を発注するということができてしまうためリスクが高いという内容でした。実務面では管理会社の子会社が工事を請け負うという形をよく見ます。

番組では関東地方のある管理組合が取り上げられ、管理会社からはメリットばかりを強調されて管理会社による第三者管理を導入したが以前と比較して、お金の使われ方が不透明になり日常的な修繕は事後報告、老朽化した設備工事は費用等の説明もなく不安が大きくなったとの説明でした。その後この第三者管理方式をやめようと管理組合で動いたところ変更には管理規約に非常に厳しい条件が記載されていたことを知り大変な労力の末、全区分所有者に協力してもらいなんとか第三者管理をやめることができたとの内容でした。

コメンテーターは番組のなかで、この第三者管理という制度そのものが悪いものではないということを伝えており高齢化社会が進行し、管理組合の役員のなり手不足も深刻化している状況のなかでの解決策の1つとして、第三者管理というのは有効ではないかと言われていました。また現在国が作っているのは、第三者管理に関するルールが何もないので、まずはルール(ガイドライ)を作りましょうということをやっているということ。そのルールをこれを守らないような業者が出てきてしまったら、その次の段階としては強制力を持った法律というのが必要になるのではないかなと考えていますとの内容でした。最後に、マンションの管理状況を自治体が評価する「管理計画認定制度」を活用して住民の関心や意識を変えようとする動きも見られており今後の動きにも注目してほしいとの内容でした。

この内容については、今まさに国土交通省がルール作りの指針を示しているところです。日本人は、基本的に争いごとを避ける国民性と他人を信用するという文化が根付いています。そのためか何か問題が大きくなってから対応を行うという図式をこれまでも多々見てきました。今回の様な問題増大が想定されるような状況では、立場の弱い管理組合(*1)の保護のためにも出来るだけ早い時期に法律を制定したほうが良いのではと考えております。

(*1)我が国のマンション管理適正化法に於ける管理組合は消費者契約法にあたる消費者に当たらないとする見解が一般的です。

管理組合の「管理」に対する正しい価値観をもつ重要性

管理会社に関するご相談で、なぜここまで修繕で多額のマージンが必要なのですかという質問を頂くことがあります。単純に言えば通常の管理委託費では十分に「儲からないから」です。通常のファミリー物件に於いて管理組合から選んでもらうために、毎月の管理委託費を安く見せるということは、判断材料の乏しい組合員の方への訴求効果がとても高いと思います。外部のマンション管理士等から見れば大事な資産を任すのだから総合的見地から管理会社は選ぶべきだという極真っ当な意見もありますが、一般的に日常生活に於いて管理組合運営のことなどじっくり考える余裕のある組合員の方は少なく、何が正しい情報なのかも判別できないためどうしても表面的なもので判断してしまいます。その大きなものが「価格」であり安さです。理屈よりも感情が勝るのが人間の一面なのです。管理会社の実態などわかりにくいものより単純に会社の規模・価格といった表面的な情報で判断してしまいがちなため管理会社は、競合する中で通常の管理委託費をできるだけ安価で受注しようとします。
しかしこれでは、管理会社としては利益確保がむずかしいためどこかで利益を確保しなけれないけません。そこで年間の修繕工事や大規模修繕工事を割高な価格で受注するという構図です。営利を追求する企業からみれば会社存続の為、規模拡大のため必要なことと言えます。程度の差こそあれ多くの管理会社は管理委託費の安さをアピールしなければいけないのも事実なのです。もちろん高級物件や大型物件を扱い通常の管理委託費からも十分な利益を得たうえで修繕工事等でも十分な利益を出す管理会社もあります。また、通常の管理委託費で十分に利益が出ており修繕工事等には積極的には関わらないというスタイルの管理会社もあります。しかし多くのファミリーマンションでは、「安さ」を重要視する管理組合員の方が多いため入口の管理委託費を安価で請け負いその後の工事等で回収するという手法が伸びているのです。結局トータルで見れば「安さ」を享受できずに問題が出てきているケースが増えているということを番組を通じて感じました。こうした事実を多くの管理組合の方が認識していただき「管理」に対する価値観を変えていけば適正な価格と満足できるサービスという業界にとっても管理組合にとっても良い方向に行くのではないかと思います。

最後に番組の中で「こんなマンションは要注意!」として「お金のトラブル こんなマンションは要注意」というチェックシートが紹介されていましたが、皆様のの管理組合でも複数の項目が該当するのではないでしようか。マンション管理組合問題は、ここ最近のマスコミ、国や地方自治体等の動きを見ても臨界点に徐々に近づいているように感じます。臨界点を超えれば問題が噴出して多くの管理組合の現状が表面化することになります。是非手遅れにならないためにも自分の資産は自分で守るという意識を高めて頂きたいと思います。

画像引用:クローズアップ現代マンション維持費高騰にどう備える?より
2024/2/6

管理会社による管理者方式…国交省が指針改訂案 

管理会社が自社グループに修繕工事発注、総会決議を条件に

新年の挨拶の際にも触れましたが「管理組合の運営を管理業者に委託している分譲マンション」について、国土交通省は、指針の改正案を示しました。

国土交通省は1月26日、マンションの管理組合が管理業務を外部に委託する「第三者管理方式」のガイドライン(指針)改訂案を有識者会議に示しました。大きく2つのポイントになります。一つ目は、第三者管理に於いて管理業務を委託された管理会社が自社グループに修繕工事を発注する際に、住民による総会で決議することを求めるとした内容となっています。この第三者管理方式については、住民の負担が減るものの委託先の管理会社の業務に住民の監視が働きにくく、修繕工事がグループ会社に割高な価格で発注される問題が指摘されています。私自身も以前からこの方式については近い将来必ず問題が噴出すると考えていました。

今回、国交省は、管理会社が住民側の同意を得て修繕を行う仕組みとすることで、トラブルの発生を防ぐ狙いがあるということですがこれに関しては、実務に精通した立場から見ると有効性に疑問が残ります。そもそも現状の管理組合の多くは管理会社に全てお任せ状態であり総会に於いても委任状と議決権行使がかなりの割合を占める管理組合が多いと思われます。限られた出席者と管理会社主導による総会進行で果たしてどこまで有効に働くのか疑問に感じます。本来、総会への上程に至る過程での理事会での相見積もりや工事内容等の検証が重要ですが理事会廃止型の管理者方式ではこれもフリーパスです。こうした事を考えるとやはり管理組合側の組織体制も強化しなければ従来通り多くの管理組合で承認されてしまうのではないかと感じています。

国土交通省がマンション管理組合に専門家による監査を求める改正案

そして二つ目が、管理会社の業務状況を確認する役職の「監事」を管理組合に設置することも求めています。住民のほか、マンション管理士や弁護士といった外部専門家の選任を推奨しているようです。分譲マンションでは通常、選任された役員でつくる理事会が運営を担うことになります。しかし、活動の煩わしさに加え、住民の高齢化などで役員のなり手がなく、理事会の役割を管理業者に委ねる「第三者管理方式」が増えています。このような状況では、管理業者が独自に高額な修繕工事を発注することもあり得るため、専門家による外部監査を置くべきという考え方です。このような第三者によるチェック体制は、透明性と公平性を保ち、居住者の負担を適正化するために不可欠だと感じます。

分譲マンションの管理費や修繕費に関する問題は、多くの居住者にとって切実なものです。高額な管理費や予期せぬ追加徴収は、居住者の負担となります。そのため、国土交通省が管理業者の運営をチェックする「監事」を設け、外部専門家の活用を促す指針の見直しを進めているのは、非常に重要な対策だと思います。本来管理組合においては、住民が理事会を組織し管理を行うのが一般的ですが、高齢化やその他の理由で理事会が機能しない場合もあります。このような状況では、管理業者が独自に高額な修繕工事を発注することもあり得るため、国交省の提案は居住者の利益を守る上で大きな一歩と言えると思います。

今回のような対策により他の管理会社と比較して相当に安い管理委託費で管理をリプレイスさせるようなやり方にも間接的にブレーキをかけることに繋がり適正な価格で満足度の高い管理という方向性に向かえば管理業界全体にとっても良いことだと考えます。

まとめ
マンションの管理組合では役員のなり手不足が課題です。背景に所有者の高齢化や賃貸化があります。そのため、政府は適切な維持管理に期待して「マンション管理士」などの専門家による第三者に管理を委託することを可能にしましたが、実際には、現在管理を委託しているマンション管理業者に運営まで委託する事例が増えています。管理組合の運営を利害関係者に委託する形となるので、政府も外部に委託する際の細かいルール作りをしているわけです。また、管理会社が大規模修繕工事を請け負う場合、何億という高額な金銭が動くこともあるので、専門家による外部監査を実施すべきという考え方です。

2024/1/29

マンション管理報告義務化へ 芦屋市が条例検討へ

画像:芦屋市街地

高級住宅街としても知られる兵庫県芦屋市は、マンションの管理組合などに対し、修繕計画や財政状況などの報告を義務づける条例制定を検討しています。今後制定されれば兵庫県内初ということです。芦屋市でも老朽化が進む一方で管理が行き届かないマンションの増加が社会問題化しており、市担当者は「適正な管理を促す仕組みを作り、将来にわたって芦屋の住環境を守りたい」とコメントしています。
現時点での条例案では、10戸以上ある分譲マンション419棟を対象とし、管理組合は長期修繕計画の有無や修繕積立金の額、総会の開催状況などを5年ごとに市に報告することを義務づけるとしています。報告に基づき芦屋市が適正に管理されていないと判断した場合、管理組合に助言をおこなうという流れです。その後、指導・勧告をしても改善されない場合はマンション名公表や立ち入り検査を実施するという条例案になっています。私有財産について自治体が一歩踏み込まなければいけないほど状況は悪化しているということです。しかしながら当事者にはその実感がないというのがこのマンション管理問題の難しいところです。

マンションの病状は、住んでいる住民はその変化に気づきにくいために何十年もの月日が経過し管理不全状態に陥る危険性が高まるというのが特徴です。人間に例えるなら病状がかなり進行しているにも関わらず放置している状況に似ています。人間であれば個人の問題ですが管理組合の場合区分所有という複雑な権利関係が絡んできます。
国の住宅・土地統計調査(2018年)によると、芦屋市内の総住戸数に占める分譲マンションの部屋数の割合は36・4%で、全国の自治体で4番目に高い状況です。芦屋市が予定している同様の条例は大阪府吹田市東京都墨田区など全国8自治体ですでに制定されています。
今月26日まで、この条例案について市ホームページなどで市民からの意見を募集していました。今後はこれらの意見を参考に準備を進めていくということです。
今後、こうした条例はマンション管理問題で悩む全国の自治体でも動きがでてくるのではないかと考えます。

2024/1/28

令和6年新年のご挨拶     

新年あけましておめでとうございます。
マンション管理の窓口公式WEBサイトにアクセス頂き誠にありがとうございます。旧年中は格別のご愛顧を賜り 誠に厚く御礼申し上げます。また福岡県マンション管理士会活動を担っていただいている役員の皆様には、ご多忙な中でのご対応ありがとうございました。心より感謝申しあげます。

昨年は福岡県内でも「マンション管理計画認定制度」が認定されるなど、様々な動きがありましたが国土交通省の思惑よりはゆっくりとした動きであり、今後定着していくのかまだ先が読めない状況です。個人的には管理組合に対するインセンティブの見直しなど、検討する余地があるのでないかと思います。また国が考えている制度の狙いと実際の管理組合側の意識の「差」が大きく認定制度が前進するには管理組合側の管理に対する意識改革が必要ではないかと感じています。

そのような状況の中、昨年12月26日に、国土交通省が管理組合の運営を管理業者に委託している分譲マンションについて、業者の運営状況をチェックする「監事」を設けるよう管理指針を見直すことを明らかにしました。管理業者が修繕工事を同じグループの会社に割高な金額で発注する例もあり、外部の目を入れてトラブルを防ぐことも視野にいれているようです。「外部専門家の活用ガイドライン」の改訂案を26日の有識者会議で示し今春にも運用を始め、管理組合などに管理規約の修正を促すということです。以前のブログでも何度か取り上げたましたが、管理組合活動の煩わしさに加え、住民の高齢化などで役員のなり手がなく、理事会の役割を管理業者に委ねる「第三者管理方式」が増えています。私はこの運営手法は、法整備が追いついておらず近い将来必ず問題が噴出すると考えていましたので一歩前進したと思います。実際にある管理組合では近隣同規模・仕様のマンションと比較して大幅に管理費等が上がったという情報もあります。今後は、管理組合と利益相反する管理会社が管理者となるリスクが内在することを踏まえ、いかに実効性のあるガイドラインにすることができるかにかかっています。そのためにも管理組合の皆様に管理組合運営に関心を持って頂き主体的に関わっていただくことを期待します。

また、今年度は区分所有法の改正や標準管理規約改正など、管理組合に関わる制度の変更が続きます。この機会に管理組合の皆様が今以上に組合運営に関心を持っていただくことを期待して、今年の新年のご挨拶に代えさせていただきます。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます

2024/1/1

山口県宇部市の井筒屋跡地整備に合人社計画研究所!

宇部市ホームページ外観イメージパースより引用

総事業費約60億円の複合施設。PPP(官民パートナーシップ)事業!

今年7月にマンション管理業務を展開する合人社グループ(本社広島市)の合人社計画研究所が2018年末に閉店した山口井筒屋宇部店(山口県宇部市)の跡地に新たな複合施設を整備すると発表して約半年が経過しました。10月には、市内在学の高校生、小学生以下の子どもを持つ市民ら25人が参加しての意見交換会も開催されました。子育て支援の機能等を備え、地域住民の交流拠点となる複合施設として2026年10月に開業する予定ということです。

施設は延べ床面積約4660平方メートルの3階建て、4階建ての立体駐車場を併設する計画で地元の食品店、小売店などの地域密着型の小規模店舗のほか、小倉井筒屋でも出展している玩具販売のボーネルンド(本社東京都渋谷区)の遊具を入れた子供用遊び場や近代的な図書コーナーを整備する計画です。その他子育て支援センター等の行政施設も入居する予定で施設運営は主にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が担うことになるということです。現在解体工事が進められており今回決定した設計事務所・建設会社等企業グループが、設計や建設を進めるという事で総事業費は約60億円。2024年12月に着工予定ということです。受託企業の合人社計画研究所は、この施設を2046年3月末まで維持管理などを受け持つ予定ということです。

宇部商工会議所、宇部市主体での事業計画が頓挫の末の決定

この山口井筒屋宇部店(山口県宇部市)の跡地を巡っては遡れば宇部商工会議所が店舗跡地を購入すると表明したものの臨時総会で否決されその後は、宇部市が主体となり既存建物に約30億円を投じて複合施設案を進めていったものの議会の反対で開発計画は中断された経緯があります。その影響もあってか当時の市長は体調不良を理由に市長を辞任されその後新体制で計画をすすめ今回の発表となりました。

本来商工会議所は、親睦団体であり不動産事業には似つかわしくないはずですが宇部市の現状を見るにつけ当時の会頭と市長が苦肉の策で計画したのではないかと推測しております。地方の衰退は想像以上に進んでいます。1973年に施行された大店法(大規模小売店舗法、2000年に廃止)をベースに、2000年に施行された大店立地法(大規模小売店舗立地法)では規制緩和が進み外資系の店舗も参入しやすくなり全国の郊外中心にアウトレットモールや大型商業施設が開発されていきました。その結果、既存の中心街がシャッター街化するケースが増加し、大きな社会問題となっています(2006年に都市計画法、建築基準法の改正等が行なわれ、延べ床面積が1万平方メートルを超す大型商業施設の出店に関しては、立地条件にある程度の抑制がかけられるようになりましたが効果は限定的です)。前回の記事にも書きましたが誰のための規制緩和なのかとあらためて考える次第です。

山口県宇部市は私の故郷でもあり小さな頃から旧宇部井筒屋には買い物等で利用した懐かしい思い出の場所でもあります。また旧宇部井筒屋は展示会等で、宇部全日空ホテル(現ANAクラウンプラザホテル)で催し物を開催されビジネス上でもお世話になった関係です。今回受託した合人社計画研究所については、マンション管理士としては厳しい見方をしていますが受託したからには、保守的な地域に「既成概念を打破し新しいパラダイムを生み出す」ことを期待したいと思います。以下に今回内容の宇部市ホームページの発表記事を転記しますのでご覧ください。最後に宇部市ホームページ外部リンクを貼っておきます。

以下宇部市ホームページより転記

レストスペースのイメージパース(宇部市ホームページより引用)

常盤通りにぎわい交流拠点利活用事業の事業者を決定しました

「旧山口井筒屋宇部店跡地における「常盤通りにぎわい交流拠点利活用事業」の事業者が決定し、この度、契約締結に至りました。
本事業は、令和5年1月より本施設の設計・建設・維持管理・運営までを一体的に担う事業候補者を公募型プロポーザル方式により募集し、同年3月に2グループから提案がありました。
その後、同年5月15日に開催された選定委員会において、最優秀提案者となった下記グループを優先交渉権者として決定し、契約交渉を進めた結果、合意に至ったことから、令和5年6月市議会定例会において、設計・建設等の業務に係る施設整備契約の締結と維持管理・運営を行う指定管理者の指定についての議案を上程し、承認されました。
今後は、基本計画・基本設計に着手し、令和6年度には建設工事に着手、令和8年10月の供用開始を目指します。

契約締結等の相手方
事業者:【株式会社合人社計画研究所】を代表企業とする、全9社で構成されるコンソーシアム
公共施設等の設計・建設業務に係る施設整備契約
受注者:安成・大旗・さくら・巽・合人社エンジ共同企業体
公共施設等の維持管理・運営業務に係る指定管理者
受注者:株式会社常盤通り未来共創まちづくり(※)
(※)指定管理については、特別目的会社SPC「株式会社常盤通り未来共創まちづくり」を設立

事業期間(予定)
令和5年6月19日~令和28年3月31日
設計・建設期間
令和5年6月19日~令和8年7月31日
維持管理・運営期間
令和8年8月1日~令和28年3月31日
開館
令和8年10月
総事業費
6,014,645,000円(税込み)
設計・建設に係る経費
3,339,820,000円(税込み)
維持管理・運営に係る経費
2,674,825,000円(税込み)

2023/12/18
運営:綜合事務所ネクストステージ
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