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マンション漏水事故と責任の所在

国土交通省が行ったマンション総合調査では、約19%が「水漏れのトラブルがある」と回答しています。そのなかで昭和49年以前に建築されたマンションに限ると、およそ50%以上のマンションが「ある」と回答しています。このようにマンションの水漏れ事故は意外と多く発生しており、決して他人ごとではありません。

水漏れの原因とは?
マンションで水漏れ事故が起きてしまう原因は、主に次の2つがあります。
①住人の故意や過失によって起きてしまう人為的な問題
②配管の故障や老朽化などで起きる設備的な問題

原因によってその後の責任の所在や対処が変わってきますので説明させて頂きます。間違った判断で処理を行うと思わぬトラブルにつながりますので注意が必要です。
尚水漏れ調査については今回は説明を省略します。漏水箇所が明らかでない場合に漏水箇所を調べるための「水漏れ原因調査費用」は、管理組合加入のマンション保険の適用がありますので保険会社に契約内容の確認をして下さい。・多くの場合は年間限度額が100万円です。

入居者が原因の場合
マンションの水漏れ事故の原因のひとつが「入居者の不注意」によるものです。たとえば、お風呂の蛇口をひねったものの、忘れてしまい水漏れが発生。洗濯機のホースが外れて漏水。トイレが詰まり漏水等があたります。

責任の所在は・・
通常マンションの漏水事故でまず責任を追求されるのは、その漏水の原因をつくった個人である。これは民法709条の定める不法行為責任の法理に基づきます。対応は管理組合で入っている個人賠償責任保険又は個人で加入している個人賠償責任保険の対応が可能と考えます。加入している場合は個人負担が原則です。

建物や設備に問題がある場合
設備や建物自体の老朽化や故障などにより、水漏れしてしまうケースもあります。たとえば、排水管の老朽化によるひび割れや接続不良が起きると、そこから水が漏れてしまいます。外壁に生じたわずかなひび割れから、雨水が侵入して雨漏りを引き起こすことも…。設備や建物は日を追うごとに劣化していくため、築年数が経過した物件ほど水漏れ事故が起こる可能性が高まる傾向にあります。気をつけておきましょう。

責任の所在は・・
共用部分に漏水の原因があった場合であれば、その共用部分の共有者である区分所有者全員が過失のあるなしにかかわらず最終的な責任を負う。これもまた、民法717条の定める土地の工作物責任の法理の帰結に基づきます。具体的には管理組合が賠償責任を負うこととになります。
水漏れ原因がはっきりしない時は、共用部分に瑕疵があったものと推定して、区分所有者全員、具体的には管理組合が賠償責任を負うこととになります。

 区分所有法第9条には、建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定という条文があります
第九条  建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。

具体的に判断された事例
規約「敷地および共用部分の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする」判決:管理組合は右瑕疵によって損害を蒙った者に対し管理規約に基づく責任あるいは工作物の不法行為責任を免れない(民法717条1項)福岡高等裁判所平成12・12・27
*但し東京高裁平成29年3月15日判決は「管理組合は、共用部分について民法717条の占有者にあたらない」と判示し、原審前橋地裁高崎支部が「あたる」とした判断を取り消しました。そのため、管理組合は、共用部分の瑕疵を見こしたうえで損害保険に加入しておくことは非常に重要となります。

ケースにより保険対応が異なる
1)漏水箇所が共用部分で給水管・排水管であった場合
①漏水箇所である配管の修理費用は管理組合の負担です。
・保険の適用はありません
②被害者への損害賠償責任(原状回復費用)が管理組合に発生します。
・マンション保険の施設賠償特約にて保険の適用があります。

2)漏水箇所が共用部分でも屋上や外壁などからの雨水の侵入の場合
①漏水箇所の修理費用は管理組合の負担です。
・保険の適用はありません。
②被害者への損害賠償責任(原状回復費用)が管理組合に発生します。
・雨水の侵入による損害賠償責任には保険の適用はありませんので、被害者への損害賠償費用も管理組合の負担となります

3)漏水箇所が専有部分なのか、共用部分なのか特定できない場合
①この場合は上記2、②の通り管理組合の責任となりますが、原因箇所が不明なため修理費用は発生しないことが普通です。
②被害者への損害賠償費用は管理組合の負担となります
・マンション保険の施設賠償責任特約の適用があります。
※通常は漏水事故に伴う被害者への慰謝料・迷惑料等はありません。

建物・設備等に原因がある場合は保険での対応がケースごとに異なりますので誤った判断で処理をしないことが重要です。

注意点としては、「建物や設備の問題はなかなか目につきにくい」という点です。
壁の中を通っている配管などにトラブルが生じると、水漏れの箇所や状態を確認するのが難しくなります。事故の発生そのものに気づきにくいですし、水漏れしている場所によってはすぐに補修作業が行えず、被害が広がってしまうおそれもあるのです。日頃のメンテナンス等計画的な事業計画を立てることをお勧めします。

2023/5/6

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